夫いわく、私の辞書には将来設計とか資産計画とかいう四文字熟語は載っておらず、代わりにルーズとかどんぶり勘定とかいう言葉は太字で載っているそうだ。つまり財産管理はとてもじゃないけどお前には任せられねー、ということが言いたいらしい。夫は社会人になってすぐに生命保険と年金保険に入っているし、エクセルで自分の資産がいくらあるかというのをずっとつけ続けている。一方で私は新入社員のときから、給料は入ったら入っただけ使ってしまうし、結婚するときに貯金の貯の字もなかったから、不信感を持たれるのは当然なのかもしれない。
だけど結婚と同時に夫が加入していた生命保険に夫婦で入ることができたから、「やっぱり入らなくてよかったじゃん」なんて夫に言ったら、「俺に感謝しろよ…」と死んだ魚を見るような目で言われてしまったけれど。
何はともあれ(←便利な言葉だ)、夫が真面目だったおかげで、私は中途からの高い保険料を取られずに済んだわけだから、そこは夫に感謝しようと思う。そんな夫の真面目で誠実な性格の成果、もちろん私だって大事にしようと思っている。だからこそ我が家では、生命保険の証書は金庫にしまって保管しているのだ。
それにしても…夫が死んだら3000万、私が死んだら900万がおりることになっている。せっかく頑張ってお金を払い続けてきたというのに、私が死んだら夫には900万しか入らないのに、夫が死んだら私は3000万ももらえることになる。こんな話をどこかで聞いたことがあるような…そう、「アリとキリギリス」だ。どっちがアリでどっちがキリギリスか、それはご想像にお任せすることにする。